むし歯 cavities
早期発見・早期対応のむし歯治療で歯を大切に
原因をつきとめて再発防止
人のお口の中には、1000億個以上の細菌が存在しています。それらの細菌が、お口の中の食べ残しの糖分などをエサにして作り出した酸によって歯を溶かします。それが「むし歯」です。
むし歯が進行すると、歯を失う原因にもなります。
初期は自覚症状が少なく、「歯がしみる」「痛い」などの症状が現れるころには、むし歯に感染した部分を削って治療をすることがほとんどです。
歯は一度削ると元には戻りません。再発するとまた歯が削ることになり、どんどん歯が弱くなってしまいます。
当院では、むし歯の原因をつきとめ、治療を繰り返すことのないよう再発を防止します。
むし歯ができる原因
お口の中では、歯を溶かす「脱灰」と、元に戻ろうとする「再石灰化」が繰り返されています。
「脱灰」とは、むし歯菌が作り出した酸によって「リン酸」や「カルシウム」が溶ける現象です。これに対して「再石灰化」は、唾液の働きによって溶けてしまった「リン酸」や「カルシウム」が修復されることをいいます。
この「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れると、むし歯が進行してしまうのです。
バランスが崩れる原因はいろいろあります。甘いものを食べすぎたり、お口のケアが不十分だったりすると、再石灰化が追いつかなくなりむし歯となります。
●高周波治療器 痛みをできるだけ抑える治療のために
高周波治療器は、高周波の電気を患部に当て、熱による殺菌効果で治療します。痛みや歯周病による歯ぐきのハレ、出血などを抑える効果が期待できます。痛みが少ないため、患者さんの負担も少なく、治療後の回復が早い傾向があるのも特徴のひとつです。歯の根まで達している進行したむし歯の治療でも、複雑な形状の歯の根っこまで殺菌できるので、治療期間の短縮につながります。
むし歯の進行と治療方法
むし歯は、進行すると歯を削る治療を行うことがほとんどです。早めに発見できたむし歯なら、再石灰化を促し様子をみることができます。
▶初期むし歯(C0)
歯に穴が開いていなくて、表面が白く濁っているような初期のむし歯なら、歯を削らずに再石灰化の働きを促して治療ができる可能性があります。
患者さんに合わせたブラッシング方法を指導しますので、おうちでの丁寧なケアと歯科医院でのクリーニング、フッ素塗布などを行い、経過観察を続けましょう。
▶むし歯(C1)
脱灰がすすみ、歯の表面のエナメル質が溶け、穴が開いてしまうと、もう自然に治ることはありません。むし歯に感染した箇所を削り、レジンといわれる歯科用プラスチックを詰めます。
自覚症状はほとんどなく、ご自分で気付く方は少ないでしょう。ただ、この段階で治療できると、痛みも少なく治療も1回で終わることが多いです。
▶象牙質まで進んだむし歯(C2)
歯の内部の象牙質にまでむし歯が達しており、冷たいものなどがしみて痛みを感じることもあります。象牙質はエナメル質にくらべてやわらかく、むし歯の進行が早いのが特徴です。
むし歯に感染している部分を削り、詰め物や被せ物を作って歯に詰めます。
型をとって詰め物を製作してから歯に詰めるため、通院は2回以上必要です。
▶神経まで進んだむし歯(C3)
むし歯の範囲が神経まで進んでいる状態です。神経まで達して炎症を起こしたむし歯は、大きな痛みを感じます。
「根管治療」で、できるだけ歯を抜かない治療を行います。
むし歯に感染した神経を取り除き、歯の根の部分をきれいに消毒し、殺菌してから薬剤を詰め、被せ物をします。
根管内をしっかり無菌状態にしてから密封するため、5~7回ほど通院していただきます。
▶歯根だけ残ったむし歯(C4)
目に見える歯の部分がほとんど残っていません。ここまで進行すると、歯を残すことが難しく、抜歯することになるでしょう。入れ歯やブリッジなどで、歯の機能を補っていきます。
神経が死んでいるため痛みを感じることがありませんが、歯の根に膿が溜まって顎が腫れたり、むし歯菌が全身にまわり、発熱などの症状を引き起こすこともあります。
いつまでも自分の歯を大切にしたい!
定期検診でむし歯の早期発見を
「歯が痛くなったら歯医者に行く」とお考えの方は多いかもしれませんが、これからは「歯が痛くならないように歯医者に行く」という習慣をつけましょう。
むし歯予防のために定期検診に通い続けていただくと、万が一むし歯を見つけたときでも、1度の治療で終わる可能性があります。治療期間や治療費を抑えられ、患者さんの負担を軽減できるのです。
また歯を削るようなむし歯の場合でも、早めに見つけられると最小限の範囲だけ削ることになり、歯のダメージも小さく済みます。
むし歯や歯周病が進行して歯が抜ける結果になると、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで補います。今は技術も進歩して使いやすい義歯がありますが、自分の天然の歯にはかないません。
初期の段階で自分で気付くのは難しいため、歯科医院の定期検診でしっかりお口のチェックをしてもらいましょう。